「最近入ってきたパートさんがね〜。50代なんだけど、奥様で、自分に自信があって。でもさ、新人なわけだから、知らないこといっぱいあるじゃん。30代や40代の人が先輩で、失敗しても仕方ないんだけど、謝らないのよね。」
日曜日にスポーツクラブで順番を待ちながら知り合いの女性と世間話をしていた時に、ふと職場の話になり、その女性からそんな言葉が出てきました。
「そうねー。」
と私は笑顔であいずちを打ちながら、頭の中は、思考がグルグルしていました。
50代の私はその時パートとして、まだ入社1年たっていませんでした。出産後は専業主婦で、下の子供が小学生になってから2つほどパートの仕事は経験しましたが、現在の仕事内容は初めてです。
なので、50代で。新人。そこそこの学歴。でも、仕事で知らないことは沢山ありました。唯一、「すみません」だけは、かろうじて言えました。
今時、特にパートは50代の新人さんも珍しくありません。しかし、10歳も下の人にキツく言われるのは、けっこうこたえます。
でも、知り合いの女性の言葉で目が覚めました。キャリアのある人、長い間その仕事をしている人には、やはり敬意を払わないとやっていけない。
そんなことがあってから、自分の職場でのプライドがなんだか小さくなって、肩の力が抜けました。いつの間にか、人間関係がスムーズになった様な気がします。以前は、ゴミ捨て等の雑務を自分ばかりさせられることに不満がありましたが、そんなことはどうでもよくなりました。
しかもふと回りを見てみると、フロアで1番偉い方が皆が帰った後に床に掃除機をかけていました。
スポーツクラブでの会話が私の転機となりました。もちろん、職場の新人の愚痴を漏らした彼女は、私の状況は知りませんでした。
やっぱり、偏差値よりキャリアのある人の勝ちなんだ。キャリアを積むために、何かしら犠牲にしてきたわけだし。でも、大丈夫。
1年たてば、同じ時期に同じ様な流れになるので、教わることも謝ることも減りました。
これからが、自分の能力の見せ場です。
「転機」って、ふとしたところに転がっているものですね。