岸田劉生展 にて「麗子微笑」を鑑賞しました。実物は立体感や表情が素晴らしい!~山口県立美術館~

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 目 次


念願の岸田劉生展へ行きました

山口県の中心地?山口市にある綺麗な山口県立美術館で開催しています。
(岸田劉生展 2019 11/2~12/22)
前期と後期で、一部展示替があります。

私が訪れた11月30日は後期展示でした。

美術館へ入場すると、広い庭の紅葉がみえる一面ガラス窓のオシャレなカフェが正面にあります。

そこを左折して、会場へ。
岸田劉生展といえば、「麗子」

イラストの麗子ちゃんが迎えてくれます

そこには、毛糸のケープとチコちゃんのようなおかっぱのウィッグが置いてあります。
皆さんその場で麗子になって写真が撮れます。

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結構笑えるシチュエーションですが、皆さん行列をして毛糸のケープを着てウィッグを付けて写真を撮っていました。
それから気を取り直して、年代別に作品を鑑賞します。

岸田劉生の作品

 その都度自らの判断で孤高の道を進んだ画家 岸田劉生さん
初期はゴッホなど後期印象派の影響をうけて、強い色 はっきりとした輪郭の油絵を描いていました。

その後セザンヌの影響をうけました。それから細密な描写の画風へ、後に日本画へ取り組みました。
途中肺を患い外に出られなくなったため、静物画が多くなりました。
1992年満州からの帰りに山口県徳山で38歳で亡くなりました。

愛する妻の肖像画や、様々な年代に描いた自画像が展示されています。
ガラスケースの中には実際の劉生さんの写真や奥様、娘さん(麗子)の写真もありました。

結婚したことや娘が生まれたことによって、彼の感性は変わっていったように感じました。

彼の代表作は
「道路と土手と塀」
  青い空に向かって土の道が力強く伸びていきます。
それから
「麗子像」です。
  愛娘 麗子さんへの愛おしい思いがひしひしと伝わってきます。

麗子微笑

こちらは「麗子微笑」 
この絵の展示は12月8日までの限定です。
以下は美術館のお土産コーナーで購入したポストカードです。

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大正10年 8歳の麗子さんです。
肩に掛けているケープが劉生さんのお気に入りです。

これは農家の娘さんが着用して遊んでいたものをゆずってもらったそうです。
毛糸はほつれがあります。劉生さんはそれがまた、美しく感じたそうです。
毛糸の色の使い方も大変かわいらしいです。

私の勝手な想像ですが、質素な生活をしている人は余った毛糸を組み合わせて子供の衣装を編むことってありますよね。そういった華やかな色遣いで、しかも隣り合う色を考えた絶妙な配色が画家の心にしみたのでしょう。


この度はポストカードの写真ですが、実際の絵はもっともっと素晴らしいです。
毛糸は本物のように立体感があるし、触ったらふんわりしていそうです。
(もちろん触れませんが、至近距離で見ることはできます。)
それから、柔らかい微笑みの表情に惹きつけられます。

麗子は女優さんのような美しい顔立ち、子役のような可愛らしさ とは違います。
一般受けするべっぴんさんではありません。
が、なぜか心を奪われるのは、画家の圧倒的な愛情が根底にあるからでしょうか。

「麗子の部屋」という展示コーナーがありまして、立ち姿の麗子や着物の麗子など沢山の麗子さんの絵に会えました。

麗子のその後

岸田 麗子さんは 1914年生まれー 1962年没の画家です。
15歳の時に父を亡くし、40代で急逝しました。
2人の娘さんと息子さんがいます。
大正から昭和への激しい時間を、芸術と共に前向きに生きた女性のようです。
ネット上には写真もでています。

 

この度、岸田劉生没後90年ということで、素晴らしい展覧会にであえました。
しかも山口県で!
まだまだ開催中ですので、よかったら行ってみてください。

観覧料 一般1300円
月曜日休館

 

www.nitinitikorekouniti.net