広島県 宮島 にある 厳島神社の大鳥居の工事が6月17日から始まりました。
広島ではニュースとなりましたが、遠くから知らずに来られる方もいらっしゃると思いまして報告します。
目 次
6月23日に宮島を訪れた時の様子です。足元が白い柵で覆われています。
現在の大鳥居
現在の大鳥居は、140年以上前の明治8年に建てられたものです。
その間 海の上に建ち、毎日海水にさらされているため傷んでいます。
虫食いがあったり、過去の調査で柱の内部に空洞があることもわかりました。
参拝客が柱にお金を挟むことも、劣化の原因になっているようです。
工事の予定
そのため、2年ほどの予定で、大規模な保存修理工事が行われます。
(東京オリンピックのころには、まだ工事中ってことです)
残念ながら、工事期間中は大鳥居が足場やシートなどで覆われることとなります。
大事な日本の宝を残すためですから、致し方ないことです。。。
6月17日~7月10日 小規模工事
7月10日~7月19日 足場が外されます
7月20日~ 大鳥居全体が足場と目の粗いシートで覆われる
8月26日~ 西の松原から大鳥居まで仮設通路の建設
満潮の時でも、陸から渡れるってことですよね。
今回の工事は、柱の修理・朱色の再塗装・ひわだぶきの屋根のふき替えなどを予定しています。
前回の大規模修理は、昭和25年でしたので、69年ぶりとなります。
工事の終了時期は、今のところ明言されておりません。
調査をしてから ということです。
大鳥居について
一般的な鳥居は、2本の柱からなっています。
厳島神社の大鳥居は、6本の足で建っています。建っているというよりは、厳密にいうと砂地の上に置いてあるだけなのです。
屋根の部分が重いので、波にもまれても動かずにいます。総重量は約60トンです。
平清盛が平安時代(1160年代)に厳島神社を寝殿造りへ造りなおしたときに、大鳥居も造られました。
なんだか、想像するだけで、うっとりします。
潮の干満と戦いながら、平安時代の人々が造った、寝殿造りの神社と鳥居。
建築知識といい、技術といい、材料といい。
素晴らしいです。
厳島神社入り口
行事への配慮
話がとびますが、工事予定で足場が外される時があります。
管弦祭があるからです。
管弦祭
2019年は7月19日に行われます。
御座船が大潮の大鳥居をくぐり、神社前で祭典と管絃を奉奏します。
満月の夜、潮の香りのなかでの行事です。
ロマンですね。
大鳥居の足場のない姿を見るのは、ここがチャンスです。
自分も、今年は拝観に行こうかと思います。
どうか天気に恵まれますように!!
水中花火大会
2019年は8月24日(土)に開催されます。
宮島の花火大会の見どころは何と言っても水中花火です。
花火船より、花火が海中に投げ込まれて、大音響と共に炸裂し、水上に半円形の花が咲きます。
花火を水中に投げた後、船がその場からサーッと走り去る姿が見えます。
すぐそこで、花火が開くので迫力が半端ないです。
花火が光る瞬間に大鳥居の姿が影絵のように映るのですが、今年は大鳥居にシートがかかっています。
どのような景色になるのでしょうか?
因みに昨年は、豪雨の影響でJR線の線路が寸断されて臨時列車が走れなかったため、花火大会は中止となりました。
何はともあれ、水中花火は素晴らしいです。
大混雑で花火大会後の船に乗船するには、1時間以上待ちますが、それでも行く価値はあります。
自分は、宮島にはしばしば渡りますが、心が疲れているときに行くと何故か落ち着きます。
神の島 宮島には不思議なパワーがあります。
干潮の時の大鳥居(昨年撮影)
歴史的建造物の大鳥居が工事に入ることは、景観的にかなり寂しいことですが、遺産を後世に残すために工事後の姿を楽しみにしたいと思います。